先日ヨーロッパへ旅行に行ってきました。この話は今度じっくりと書き残したいので後日するとして、物の値段がびっくりするほど高かったです。何も買う気になれません。
食べ物は妥協したくなかったのですが、カフェでカプチーノ2杯と、クロワッサン、パンオショコラ、何かスイーツ一つ頼んだら6000円くらいになります。
日本も物価が上がっているとはいえ、それに比べたらやっぱり安い。外国の方が日本で買い物する気持ちはよくわかります。コーヒーも値上がりしてりますね。ここにきて一段と。
しかし、です。
誰も、価格以上に深刻な事がコーヒー業界で起こっているのはご存じないと思います。
昔あるコーヒー屋さんのウェブサイトにこういうキャッチコピーがありました。
「美味しいコーヒーには、種も仕掛けもございます」
近年のアメリカ発祥の浅煎りコーヒーブームに端を発したサードウェーブと言われた流れ。落ち着いたように見えますが、その火種はまだまだ残っており、浅煎りを謳うコーヒー屋さんは
後を絶ちません。これがコーヒーだと、当たり前の顔をして提供されていますが、そのコーヒー豆自体の品質に非常に疑問をもちます。また、さまざまな加工を施し、品質の低さを誤魔化し
てあたかもそれが個性だといいはる近年のコーヒー業界にはうんざりします。そんなコーヒーが売れるから、商社も農家にそんなコーヒーを沢山作れとオーダーし、農家は農家で簡単に作れ
る適当なコーヒーが高値で売れるからと手を抜き、かつての素晴らしい地域特性を感じられたスペシャルティコーヒーが絶滅の危機に瀕しています。私達のコーヒー輸入グループは、長年
高品質にこだわり続け、その国の一番美味しいコーヒーが作られる産地へ足を運び、輸出業者を通じて農家に対しフィードバックを繰り返した結果、素晴らしい品質のコーヒーを毎年作って
もらえるようになりました。そのような農家でさえ、この流れに背に腹は代えられないと、安価で低品質なコーヒーの生産に舵をきる始末。国によっては99%、本当の意味での
スペシャルティコーヒーは消滅した。とまで言われています。これから店頭のコーヒー豆の産地は少しづつ減っていきます。これはもう間違いないです。
なのに小さな焙煎機は売れに売れ、小さなコーヒー屋さんが生まれ続ける現状。世の中に出回る低品質で安価なコーヒー・・。このような悪循環はもう止める事は不可能なのかもしれませ
ん。
私は、スペシャルティコーヒー黎明期から過渡期までの間でコーヒーの業界に足を踏み入れた世代です。本当のスペシャルティコーヒーの素晴らしい香味をもろに味わいながらコーヒーを
学んできました。あの素晴らしい味わいを知っている人は、やっぱり妥協できないと思います。価格がどんなに上がっても、おいしいと思えないコーヒーは売れないです。
10年後、08COFFEEの店頭に、3か国しか豆がなくなっても、ちゃんとしたスペシャルティコーヒーを探し求める努力はしていこうと思います。